ポケモン図鑑でフランス語を学ぼう・第1回
初めまして、あんでぃと申します。
このブログは語学用に開設したもので、主にフランス語、時々ラテン語や英語の勉強成果を綴って行こうかなと思っております。特にフランス語やラテン語はそれはそれは初学者ですので、間違いなどありましたらご指摘お待ちしております。
さて、唐突なのですが、ここ最近フランス語のポケモン実況を見ながらフランス語を学んでいたところ、あることに気がつきました。
僕はこれまでにHGSSを始め、ダイパ、ブラック、ORAS、剣盾、アルセウスなどなど、広くポケモンをプレイしてきました。そのため、ある程度ポケモンについての知識はあります。図鑑埋めもまあそれなりにはやってきたので、フランス語版の図鑑を訳していけば自然と日本語との対応が身につくのではなかろうか…と考えたわけですね。もちろん、単純に楽しいというのもありますが。
ということで早速フランス語のポケモンWikiにアクセスし、図鑑を発見。
https://www.pokepedia.fr/Liste_des_Pokémon_dans_l%27ordre_du_Pokédex_National
001「フシギダネ」…ではなく、「Bulbizarre」からやっていこうと思います。
001 フシギダネ/Bulbizarre
名前の由来はbulbe「球根」とbizarre「奇妙な」。あ、bulbeは男性名詞なので青くしてあります。確かに、日本語では「種」ですが、背中のそれは種というか球根…ですね。
普通に植物の種、と言いたい時はgraineと言うそうです。英語のgrain「穀物」と同根かな?
では早速色々な図鑑の説明文を見ていきましょう。
・ポケマスおよびポケGOの図鑑
Bulbizarre passe son temps à faire la sieste sous le soleil. Il y a une graine sur son dos. Il absorbe les rayons du soleil pour faire doucement pousser la graine.
「フシギダネは陽光の下で昼寝をして時を過ごす。その背中には種があり、その種をゆっくり成長させるために太陽の光を吸収しているのだ。」
でしょうか。
passer son temps à inf「〜して時間を過ごす」はほとんど定型表現ですね。
一方でsiesteってフランス語でも使うんですね、スペイン語かと…
ちなみにこれはラテン語のhora sexta(sixth hour)から来ているそうで、日の出から数えて6時間が経過するとちょうど昼寝の時間になるとかなんとか*1。
んで、こっちでは不思議なことにbulbeは一回も登場せず、むしろgraineがたくさん出てきます。
dos「背中」は基本単語のはずですが、忘れていました…(僕の語彙力はこのレベルです)
ついでなので同根の語を探したところ、英語ではdorsumが医学用語で「背中」、またフランス語からの借用でdos-à-dos「背中合わせに座る座席」なんていうのもあるそうで。まあ使うことはなさそうだなあ…
pousser「押す」(pushと語感が近いですね)は自動詞で使うと「(植物や髭などが)生える、伸びる」、「(子供などが)成長する」というgrowに近い意味合いになる、というのもここで得た学びでした。ここではfaireの後なので使役的に使われてるのかな。
・ピカブイの図鑑
- Il peut survivre plusieurs jours sans manger grâce aux nutriments contenus dans le bulbe sur son dos.
「背中の球根に含まれる栄養素のおかげで、何も食べなくても何日も生き延びていられる。」
なーんかインデントがおかしくなった、まあいいや。
ここは語彙的に新しい学びはなかったのでちょっくらフランス語の基本語彙に関する雑学でも。
plusieurs、「plus」(=more)が入ってるのわかりやすくていいですよね。元を辿ると"more than one"ってことで英語のplural「複数の」にも繋がっているようです。
jour「日」もちょっとした思い出のある単語…というのも、この単語を通じて英単語が一つ秒速で覚えられたんですよ。それがadjourn「延期する」。ad(toward)+jour(day)で「次の日へ」→「延期する」、めっちゃ綺麗じゃないですか?
・ソードの図鑑
- Il y a une graine sur son dos depuis sa naissance. elle grossit un peu chaque jour.
「生まれつき背中に種を持つ。その種は毎日少しづつ成長しているのだ。」
Pokèmon Épéeってなんじゃいと思っていたらソードでした。épéeは剣、と…
naissance「誕生」は言われてみればという感じ。renaissanceって言うもんなあ。「生まれつき」ってdepuisとdeどっちが普通なんでしょうね。
・シールドの図鑑
- Quand il est jeune, il absorbe les nutriments conservés dans son dos pour grandir et se développer.
「幼い間は、大きく成長するために、背中に蓄えられている栄養素を吸収する。」
剣盾って図鑑の説明文別なんでしたっけ。
「盾」はbouclier。「剣」と男女が対になっているのもですが、この単語は語源がなかなかに面白くて、escut boucler「バックル(あるいは持ち手の輪っかのこと?)のついた盾」の「盾」の方が略されてこうなったようです。まさかbuckleと根っこで繋がっていようとは。ぱっと思いつきませんけど、こういう成り立ちの言葉日本語にもありそうですよね。
・ポケモンスナップの図鑑
- Au matin de sa vie, la graine sur son dos et la lumière du soleil lui fournissent les éléments dont il a besoin pour grandir. Tant qu'il n'a pas fini sa croissance, il a besoin d'autres Pokémon pour survivre.
「人生の朝には(!)、背中の種と太陽の光がフシギダネに大きくなるために必要な栄養素を与える。その成長を終えない限り、生存のために別のポケモンを必要とするのだ。」
えっ
いやau matin de sa vieとかいう言い回しが突然出てきたのもびっくりしましたけども…
il a besoin d'autres Pokèmon pour survivre…????お前そんな肉食なん?
と思って慌てて原文を確認すると、
- 生まれてから しばらくは 太陽光と 背中の種に詰まった 栄養で育つんだ。大きくなるまでは ほかのポケモンに 支えられながら 生きるんだよ。
あー。そういうことですか。てっきりビードルとか食うのかと。
fournir「提供する」はここで初めて知りましたが、furnishだと思えばいいですかね(「備え付ける」みたいな意味はないみたいですが)。そういえばfourniture「必要品」とfurniture「家具」、ちょっと意味範囲が違いますね…
tantは本当によくわからないです。so muchみたいなもんかなあとか思ってると今回みたいにwhileとかas long asみたいな意味になったりしますし、tant qu'à faire「どうせするなら」みたいな構文もありますし。一個一個覚えるしかないのかなあ。
croissance「成長」、croissant「三日月」と似てるなあと思って調べたらどうもcroissantの方もcroître「成長する、増大する」の現在分詞から来てるらしいんですよね。
この記事を見るに、「そこから(満月へと)成長していく月」で「三日月」なのかなあと思わないこともないですが、そこ切り取る?という気持ちもあり、うーん…
それはそうとラテン語のcrescoと「クレッシェンド」の繋がりはなるほどという感じです。
simple-english-abc.hatenablog.com
ということで今回の記事はこの辺で。
最後に今回出てきた語彙をまとめておきます。
名詞
・bulbe
・graine
・sieste
・dos
・épée
・naissance
・bouclier
・croissance
動詞
・pousser(自動詞)
・fournir
特にdosとfournirは色々これから出てきそうですししっかり覚えておきます。ではでは。